2025年6月18日、小泉農林水産相は随意契約の備蓄米を学校などの給食事業者や外食事業者にも放出するとしました。
これを受けて、XなどのSNSでは「古古古米なんて食べさせたくない」という意見が。
どういうことになるのか詳しくご紹介します。
米不足で政府備蓄米が放出

2025年5月から政府は「中小スーパーや米販売店向け」に、古古古米(2021年産)8万トンを随意契約で売り渡し開始しました。
- 精米設備のある米店向け2万トン、小売業者向け6万トン
- 5kgあたり約1,800円程度での販売となった
- 事業者同士で共同購入もOK
この制度は中小事業者向けで、大手も応募しましたが条件として年1万トン以上の取り扱いが必要でした。
給食事業者や外食事業者も備蓄米を購入可能に
2025年6月18日には、小泉農林水産相は随意契約の備蓄米を学校などの給食事業者や外食事業者にも放出するとしました。
これにより、学校の給食に古古古米が出される可能性が。
もともと学校給食は備蓄米を購入できる

学校給食向け政府備蓄米の供給制度
農林水産省は「学校等給食用政府備蓄米」として、小中学校の給食・幼稚園・保育所などに対して、通年で申請受付中です。
- 申請先は「都道府県・学校給食会・市区町村」等を経由して地方農政局へ提出
- 受け付け後、審査完了まで約1か月、配送も約1か月後の見込み
- 精米(無洗米)で、まとめての納入が原則(分割不可)
つまり、給食向けとしては従来どおり購入でき、古古古米もこれに含まれる可能性があります。
購入ルートが増えたということ
つまり、今まで通りの「学校等給食用政府備蓄米」として購入するルートと、
今回の「給食事業者も備蓄米購入可能」というルートの2つができたわけです。
結論としては、給食事業者は「①従来の給食制度」でも「②中小向け随意契約」でも、いずれの方法でも購入可能です。
それだけ「古古古米」が給食に出る可能性が上がったということになります。
学校給食は今までも古米だったの?

学校給食では、これまでも政府の「備蓄米」を使ったことはありますが、常に「古米(収穫年から5年以上)」だったわけではありません。
米飯給食の導入と備蓄米の活用
- 1976年(昭和51年):戦後パン中心だった学校給食に本格的に白米給食が導入されました。背景には、1969年に大量の余剰米=“たくさんの古米”が生まれたため、給食で消費を促進する狙いがありました
- 当時は「政府備蓄米」が給食に回されたこともありましたが、それは社会的な政策の一環としての措置であり、いつも古米が使われていたわけではありません。
最近の給食米の流れ
- 1990年代以降は、助成制度も終了し、各地で地元の新米(その年の収穫米)が給食米として使われるのが主流となっています。
- ただし、例年どこかで備蓄米(通常5年以内にローテーション)を使うケースもあり、たとえば2025年6月には埼玉県で2024年産備蓄米500トンが供給されました
SNSの声
今回の備蓄米(古古古米)が学校給食に出る可能性が高まったことについて、SNSでは反対する意見が投稿されています。
えっ…給食の事業者に古古古米を売るの!?
やめてほしいんだけど…
ごはんだけ、家から持って行かせたい…本当に、給食に使うのはやめてほしい…
オレらのことはいいからさ、 子ども達には、美味しい新米を食べさせてあげたい。 未来を担う子ども達に、 ちゃんとした食を届けようよ。 子ども達は、日本の宝だよね?
はあああ??
なに、政府の失策のツケを子供に払わせる気!?
お願いだから子供たちには地産の銘柄米買ってあげて。
給食で地元のコメを使い、子供たちにお米の味を知ってもらうことこそ、持続可能な農業に繋がるんじゃないの。
それを進めるのが農相と農水省の役目。
引用:X
まとめ
政府備蓄米を給食業者にも購入できるようにしたことで、古古古米が学校給食に並ぶ可能性が高くなっています。
家庭では備蓄米を購入するかどうか選択できるのに、学校給食では否応無しに食べることになってしまい、反対派の人たちや食育を重視する人たちには耐え難い状態に。
今年の新米が出るまでの一時的な措置だったらいいですね。
▼関連記事
