2024年6月8日栃木県で2頭のピットブルが飼い主の車の中から逃走しました。
ピットブルの逃走事件は近年日本でも多く、人に噛みついて大怪我をさせる事故も起こっています。
【闘犬】【凶暴】とも言われるピットブルの噛む力の強さと危険性、日本で起きた事故についてまとめました。
ピットブルとは
ピットブルは正式名称を『アメリカン・ピット・ブル・テリア』といい、アメリカのブルドッグとテリアの血筋をひいた中型犬種です。筋肉質で引き締まった体躯と丈夫な顎を持ち、他の犬種より攻撃的な性格であるため、襲われると人間でも殺傷される可能性があります。
ピットブルは世界中で飼育されていますが、毎年多数の咬傷(こうしょう)事故が報告されており、飼い主や子どもを噛み殺してしまうなど凄惨な事態を引き起こす場合もあります。
他の多くの犬がそうであるように信頼した飼い主への忠誠心や愛情は深く、適切にしつけされると比較的従順な家庭犬として飼育することができると言われていますが、飼い主以外には攻撃的なこともあります。実際に、ピットブルが起こす殺傷事故の被害者の多くは飼い主本人ではなくその子どもや知人だということです。
世界中の複数の国の自治体では、飼育所有や繁殖が禁止されています。
ヨーロッパの12カ国、オーストラリア、カナダ、アメリカの一部、エクアドル、マレーシア、ニュージーランド、プエルトリコ、シンガポール、ベネズエラは、アメリカン・ピット・ブル・テリアを含むピット・ブル・タイプの犬について、全面的な禁止から所有の制限や条件まで、何らかの形で犬種を特定する法律を制定している。
ウィキペディア
日本では人に危害を加えるおそれのある犬や、咬傷事故を起こした際に重大な結果となる可能性の高い犬が「特定犬」に指定されていますが、飼育自体は禁止されていません。
・秋田犬
・紀州犬
・土佐犬
・ジャーマンシェパード
・グレートデーン
・ドーベルマン
・セントバーナード
・アメリカンスタッフォードシャーテリア(アメリカンピットブルテリア)
また、ピットブルから生み出された新しい犬種に『アメリカンブリー』というピットブルにそっくりな犬も存在します。こちらは性格がピットブルより穏やかですが、『アメリカンブリーXL』という犬種には気性が荒い個体も存在し、殺傷事故をよく起こしているのでイギリスではXLの繁殖や販売などが禁止されました。
このようにピットブルは強靭な肉体と顎を持ち、俊敏で、攻撃的な性格のため世界中で事故を起こしているため危険な犬として認識されています。歴史上最もたくさんの人間を殺した犬と言われることもあります。
ピットブルの噛む力
ピットブルの噛む力は犬種最強レベルと言われており、たった一口で牛の大腿骨を折ることができるそうです。人間に置き換えてみると恐ろしいですね。
また、一度噛みついたら離さないという習性があり、相手が抵抗するほど興奮して離さなくなるので飼い主でも止めるのは困難を極めます。海外の事故でも子どもに噛みついたピットブルを離そうとした飼い主が大怪我をしています。
日本で起きたピットブルの事故
- 2017年4月 静岡県足柄サービスエリア下りの駐車場で4頭のピットブルにチワワが噛み殺される
- 2020年5月 千葉県銚子市でピットブルが逃げ出し、近所の女性がかまれて全治40日の大ケガ、ペットの小型犬が死亡
- 2023年1月 横浜市でピットブルが逃げ出し、近くの女性の足に噛みつきケガ、過去にも2回通行人に噛みついていた
- 2023年6月 香川県観音寺市でピットブル2頭が逃げ出し、近所に住む女性がかまれて入院する大ケガ
- 2023年10月 沖縄県で飼い主が一時預けていた市内の工場から逃げ出し男性とペットを威嚇
- 2024年4月 栃木県の路上で20代〜50代の男女4人がピットブル系の雑種に噛まれ腕などにケガ
- 2024年6月 栃木県で車内から2頭のピットブルが脱走
- 2024年7月 熊本県益城町でピットブルなど複数の犬が逃走
このように近年日本国内でもピットブルによる事故は数多く起きています。
特定犬種であるはずのピットブルがなぜこうも逃げ出すことができるんでしょうか?
特定犬であることに特別な届け出などは必要なく、狂犬病予防接種の際に注意喚起されるだけというのが驚きです。きちんと市町村で特定犬を登録し、飼育状況などを確認する制度が必要ではないでしょうか。
特にピットブルに関しては近年の事故多発を受けて、飼育や所有、販売の禁止を訴える声も大きくなってきています。
犬に責任はないので、飼い主がきちんと特定犬種を飼育しているという自覚を持ってしつけや管理をすることが大切です。
まとめ
ピットブルの噛む力の強さや危険性、日本国内での事故についてご紹介しました。
飼育する人にはやんちゃで可愛いピットブルですが・・
他人にとってはやはり怖い生き物です。
逃げ出したピットブルはこちらから危害を加えない限り噛まない、と言う人もいますが、犬の散歩中に襲われているケースが多いことを見ると、他の犬に対しては特に興奮しやすいように思えます。
海外のように飼育や所有禁止にならないためには、飼い主が自覚を持って飼育管理することが重要で、近年多発しているピットブルによる事故がなくなるよう注意して欲しいと思います。